なまはげシラノ
EXPO APOFES 2nd
中山朋文 コメント
この芝居は、佃典彦さんが34年前に書かれた作品です。
街かどにいつもいる、箪笥を持ち歩いてるナゾの男。
どうやらその男は誰かを待っているらしい。
どうやら待っているのは息子で、そいつはとんでもない不良らしい。
なにやら男は不良息子のために、自分自身を質に入れたらしい!?
・・・そんなお話です。
寺十吾さんの演出で、私が初めてこの一人芝居をやらせていただいたのが2007年でした。
それから現在に至るまで、様々な場所で何度もこの芝居を上演しました。
大きな劇場や小さな劇場、時には飲食店なんかでも芝居をしました。
初演が34年前、1989年。昭和から平成に変わった年です。佃さんは20代だったそうです。
私が初めて演じさせていただいたのが2007年、私は30代前半、まだまだガキでした。
この一人芝居をはじめて何年かたったある日、佃さんと雑談をしていて結婚の話になりました。その時佃さんが語った結婚観が、この芝居のセリフと全く同じだったことにおどろき、そして大笑いしました。20年たっても同じことを言っている。人間って変わらないんだなあ、と思ったりしたものです。
それから10年近くたち、私ももうすぐ五十という歳が見えてきました。この役の年齢に、実際の年齢が追いついてきました。
昭和・平成・令和と時代が変わっても上演し続けることができるこの本は、古びることがないと改めて感じております。
中山朋文
俳優・演出家
theater 045 syndicate 主宰
神奈川県演劇連盟副理事長
神奈川県横浜市出身。大学卒業後、CM制作会社勤務を経て演劇の道へ。
2001年、サンシャイン劇場『カッコーの巣の上を』で俳優デビュー。その後、都内での演劇や映画・TVドラマなどで俳優として活動していたが、2007年に活動拠点を地元横浜に戻し、横浜未来演劇人シアターに参加。佃典彦氏、寺十吾氏と出会う。解散後、2010年に自身の演劇ユニット『theater 045 syndicate』を設立。
都内での活動も並行して行いながら、神奈川の演劇シーンを活性化させることに取り組んでいる。
日本各地の演劇人ともパイプが太く、短編演劇コンテスト『劇王カナガワ』 『神奈川かもめ短編演劇祭』では実行委員長を務めた。
作家・演出家としては、『劇王カナガワ』で2度の優勝、『劇王関東大会』で1度優勝をしている。